腰の痛みの原因はいろいろ。腰だけが原因とは限らない?

腰が痛い。
だから、腰に原因がある。

そう考えるのは、とても自然なことです。

「姿勢が悪いから」
「腰の筋肉が硬いから」
「骨盤が歪んでいるから」

腰痛について調べていると、 いろいろな「原因」を目にすると思います。

でも実際の腰痛は、 一つの原因だけで説明できるとは限りません。

今回は、腰の痛みを考える時に知っておきたい 「原因はいろいろ」という話をしていきます。

そもそも「腰痛」は一つの病気ではありません

「腰痛」という言葉はよく使いますが、 腰痛そのものが一つの病気を表しているわけではありません。

腰の周辺に感じる痛みという「症状」を表す言葉です。

そのため、同じ「腰が痛い」という訴えでも、 背景は一人ひとり違います。

WHO(世界保健機関)では、 腰痛を大きく特異的腰痛と非特異的腰痛に分けて説明しています。

特定の病気や骨折などによって説明できる腰痛がある一方で、 特定の病気や一つの構造的な問題だけでは説明できない腰痛も非常に多くあります。

「腰が痛い」=
「腰の○○が悪い」とは限りません。

腰痛を考える時には、 一つの原因を探すだけではなく、 身体や生活を広く見ることが大切です。

腰の痛みには、いろいろな要素が関係します

腰痛について、 「結局、何が原因なの?」と思うかもしれません。

もちろん、腰の筋肉や関節などが 痛みに関係していることはあります。

でも、それだけではありません。

腰の痛みを考える6つの視点
01 / BODY

筋肉・関節など

腰周辺の筋肉や関節など、 身体の組織が痛みに関係することがあります。

02 / NERVE

神経

神経が関係すると、 腰だけでなく脚への痛みやしびれなどを伴う場合があります。

03 / MOVEMENT

身体の動かし方

腰だけでなく、股関節など他の部位の動きや 身体全体の使い方も確認する必要があります。

04 / ACTIVITY

活動量・負荷

急に活動量が増えた、長時間同じ姿勢が続いたなど、 日々の身体への負荷も一つの視点です。

05 / CONDITION

睡眠・疲労・心理状態

睡眠や疲労、心理的な負担なども、 痛みの感じ方や経過に関係することがあります。

06 / LIFE

仕事・生活環境

仕事、家事、育児、運動習慣など、 普段の生活そのものも身体と切り離せません。

大切なのは、 この6つのうちどれか一つが必ず「原因」ということではありません。

いくつかの要素が重なって、 今の腰痛に影響していることもあります。

レントゲンやMRIに変化があれば、それが原因?

腰痛が続いて医療機関を受診すると、 レントゲンやMRIなどの画像検査を受けることがあります。

そこで、

「椎間板が変性しています」
「少し膨らんでいます」

などと説明を受けることもあります。

画像は大切。でも「画像=痛み」とは限りません。

研究では、椎間板の変性や膨隆などの画像所見は、 腰痛がない人にもみられることが分かっています。

一方で、一部の画像所見は腰痛のある人で より多く認められることも報告されています。

つまり、画像検査は重要な情報の一つですが、 画像だけを見て痛みの原因を決められるわけではありません。

画像の結果と、 実際の症状、身体の状態、神経学的所見などを 合わせて考えることが大切です。

「姿勢が悪いから腰痛」とも限りません

腰痛になると、 自分の姿勢が気になり始める方も多いと思います。

もちろん、同じ姿勢を長時間続けたことで 腰がつらくなることはあります。

ただし、 「この姿勢だから腰痛になる」と単純に決めつけるのは避けたいところです。

SIMPLE ANSWER

「姿勢が悪いから」
「骨盤が歪んでいるから」
「筋肉が硬いから」

THINK WIDER

どんな動きで痛む?
いつから始まった?
仕事では何をしている?
睡眠や活動量は?
他の身体機能は?

一つの答えを先に決めるより、 その人の腰痛を一つずつ確認していくことの方が大切です。

腰を触るだけでは分からないこともあります

腰が痛いからといって、 腰だけを見れば十分とは限りません。

例えば、

  • 前にかがむ時に身体をどう使っているか
  • 立ち上がる時にどこに力が入っているか
  • 股関節など腰以外の場所がどう動いているか
  • 左右で身体の使い方に違いがないか
  • 身体をどう感じながら動かしているか
  • 仕事や家事でどんな動作を繰り返しているか
  • 最近、活動量が大きく変化していないか

こうしたことを確認していくと、 「腰が痛い」という情報だけでは見えなかったことが 見えてくる場合があります。

長く続く腰痛では、生活まで見ることが大切

特に腰痛が長く続いている場合には、 身体の組織だけでなく、 心理面や社会的な背景を含めた視点が重要になります。

WHOの慢性腰痛ガイドラインでも、 慢性的な腰痛については、 身体的・心理的・社会的な要素を含めて 個別に考えることが重視されています。

これは、 「腰痛は気持ちの問題」という意味ではありません。

痛みは身体だけで完結するものではなく、 睡眠、仕事、活動、不安、生活環境などと お互いに影響し合う可能性があるということです。

腰を見る。
動きを見る。
生活を見る。

腰痛が複雑な時ほど、 見る範囲を広げることが大切になります。

ただし、まず医療機関で確認すべき腰痛もあります

腰痛の多くは特定の重大な病気によるものではありませんが、 中には医療的な評価が必要な腰痛もあります。

こんな場合は、整体より先に医療機関へ
  • 大きな転倒や事故などの後に強い腰痛が出た
  • 急速に脚の力が入りにくくなっている
  • 排尿・排便の異常を伴う
  • 会陰部周辺の感覚がおかしい
  • 発熱など全身症状を伴う
  • 安静にしていても強い痛みが続くなど、いつもと明らかに違う症状がある

上記以外でも、 症状が強い、急激に悪化している、 原因が分からず不安が強い場合には、 医療機関へ相談してください。

感覚整体のうでは「腰だけ」を見ません

KANKAKU SEITAI NOU
腰が痛いから、
とりあえず腰をほぐす。
それだけでは分からないことがあります。

感覚整体のうでは、 痛みのある場所だけではなく、 身体の動きや筋肉・関節の状態、 身体の感じ方などを確認します。

また、長く続いている痛みでは、 仕事や家事、睡眠、活動量など、 普段の生活についてもお聞きします。

そのうえで、 「今の腰痛には、どんな要素が関係していそうなのか」 を一緒に考えていきます。

腰の痛みの原因は、
一つとは限りません。

腰が痛いから腰だけを見るのではなく、 身体の動きや感覚、そして普段の生活まで 少し視野を広げてみる。

そうすることで、 今までとは違う身体の見方が できるかもしれません。

BODY CONSULTATION
「私の腰痛は、何が関係しているんだろう?」

感覚整体のうでは、 腰だけではなく身体の動きや感覚、 普段の生活なども確認しながら、 今の身体について一緒に考えていきます。

参考文献
  1. World Health Organization. Low back pain. WHO Fact Sheet. 2023.
  2. World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
  3. Brinjikji W, et al. Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36:811-816.
  4. Brinjikji W, et al. MRI Findings of Disc Degeneration are More Prevalent in Adults with Low Back Pain than in Asymptomatic Controls: A Systematic Review and Meta-Analysis. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36:2394-2399.
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