「みんな普通に生活しているのに。」
「どうして私だけ、こんなに痛いんだろう。」
痛みが長く続いていると、 そんなふうに思ってしまうことがあります。
周りからは普通に見える。
検査をしても、大きな問題はないと言われた。
それでも、自分には確かに痛みがある。
そんな経験をしている方は、 決してあなただけではありません。
「どうして私だけ?」と思ってしまう痛み
肩、腰、頭、首、背中。
痛む場所や程度は違っても、 痛みに悩みながら生活している人は少なくありません。
特に痛みが長く続くようになると、 痛いことそのものだけではなく、 「いつまで続くんだろう」という不安や 「周りには分かってもらえない」というつらさ が加わることがあります。
外から見ただけでは分かりにくい痛みもあります。
仕事に行けている。
家事もしている。
友人とも出かけている。
だからといって、 痛くないということにはなりません。
痛みは、他の人と比べられるものではありません
「もっと大変な人もいるから。」
「このくらいで痛いって言ったらダメかな。」
そんなふうに、 自分の身体について考えてしまうことがあります。
でも、痛みはとても個人的な体験です。
同じ場所に同じような負担がかかっても、 全員が同じ痛みを感じるわけではありません。
身体の状態だけではなく、 これまでの経験、睡眠、疲労、生活環境、 心理状態、仕事や家庭での負担など、 さまざまな要素が痛みの体験に関係します。
だから、 「同じ仕事をしているあの人は平気なのに」 と比べても、答えが出ないことがあります。
痛みは「筋肉や関節だけ」の問題ではありません
痛みがあると、 どうしても痛い場所に原因を探したくなります。
肩が痛いなら肩。
腰が痛いなら腰。
膝が痛いなら膝。
もちろん、その場所の筋肉や関節、神経などが 関係していることはあります。
ただ、特に痛みが長く続いている場合には、 それだけでは十分に説明できないことがあります。
身体
筋肉、関節、神経、身体の使い方、 活動量など。
心理
不安、緊張、痛みへの捉え方、 過去の経験など。
生活・環境
仕事、家事、育児、睡眠、 人間関係、生活リズムなど。
現在の慢性痛の考え方では、 こうした身体的・心理的・社会的な要素が お互いに関係しながら、 痛みの体験に影響すると考えられています。
これは、 「痛みは気持ちの問題」という意味ではありません。
むしろ反対です。 痛みを身体の一部分だけの問題にせず、 その人全体を見て考えるということです。
女性の痛みは、もっと話していい
痛みについて考える時、 女性という視点も無視できません。
慢性的な痛みやいくつかの痛みの状態では、 女性の方が多く経験することが報告されています。
その背景は単純ではありません。
生物学的な違いだけではなく、 心理的な要素、生活環境、社会的な役割など、 複数の要因が関係すると考えられています。
仕事をして、家に帰って家事をする。
子育てをしながら働く。
周囲を優先して、自分のことは後回しになる。
もちろん、すべての女性が同じではありません。
それでも、 身体のつらさを「このくらい普通」と 我慢している方もいます。
「我慢できるか」ではなく「困っているか」
身体について相談する基準は、 痛みの強さだけではありません。
- 仕事に集中しにくい
- 夕方になると身体がつらい
- 休日なのに身体を休ませるだけで終わってしまう
- 痛みが気になって好きなことを控えている
- 以前より身体を動かすことが減った
- この状態がずっと続くのか不安
- 一度、自分の身体をちゃんと見てもらいたい
これも十分、 身体について相談する理由になります。
「まだ我慢できるから」ではなく、
「私は今、困っているだろうか?」
そんな基準で、 自分の身体を考えてみてもいいと思います。
痛みを一人で判断しなくていい
インターネットで検索すると、
「あなたの痛みの原因はこれ」
「この筋肉をほぐせば改善」
「姿勢が原因」
など、たくさんの情報が出てきます。
でも、本当に自分にも当てはまるのかを 自分だけで判断するのは簡単ではありません。
痛みにはさまざまな原因がありますし、 医療的な評価が必要な場合もあります。
強い痛み、急に起こった痛み、症状が悪化している場合、 発熱や麻痺など他の症状を伴う場合などは、 整体ではなく医療機関へ相談してください。
また、痛みが長く続いている場合も、 必要に応じて医療機関で評価を受けることが大切です。
痛みがあるあなたへ
あなただけではありません。
でも、あなたが感じている痛みは、
あなた自身のものです。
誰かと比べて小さくする必要も、
我慢できるからと後回しにする必要もありません。
自分の身体について知ること。
誰かに相談してみること。
そこから始めてもいいと思います。
感覚整体のうでは、 痛い場所だけを見るのではなく、 身体の動きや感覚、普段の生活などもお聞きしながら、 今の身体について一緒に考えていきます。
- Rogers AH, et al. The establishment, maintenance, and adaptation of high- and low-impact chronic pain: a framework for biopsychosocial pain research. PAIN. 2023.
- The biopsychosocial factors associated with development of chronic musculoskeletal pain: an umbrella review and meta-analysis of observational systematic reviews. 2024.
- Biopsychosocial and Cultural Determinants of Functioning and Healthcare Outcomes in Chronic Non-Cancer Pain: An Integrative Review. Healthcare. 2026.
